1: ニュース二軍+板記者募集中!@pureφ ★ 2013/05/16(木) 11:55:46.25 ID:???
中央大、製造しやすくて常温で長持ちして血液型を選ばない人工血液を開発
 中央大学は5月13日、「人工酸素運搬体(赤血球代替物)」として、ヘモグロビンに血清タンパク質「アルブミン」を結合させた構造の明確な「ヘモグロビン-アルブミン クラスター」を開発し、その立体構造の詳細を明らかにすると共に、得られた製剤が生理条件下(pH7.4、37℃)で酸素を安定に輸送できることを実証したと発表した。
 成果は、中央大 理工学部応用化学科の小松晃之教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、4月29日付けで米国化学会誌「Biomacromolecules」にオンライン掲載された。
 輸血液の代替物となる人工酸素運搬体の実現は、次世代医療における重要課題の1つとして位置づけられているところだ。特に日本では、1つは大規模災害時における輸血液の大量需要から、もう1つは少子高齢化による献血者人口の減少に伴う慢性的な輸血液不足への懸念から、血液型に関係なくいつでもどこでも使用できる人工酸素運搬体の開発・常備が、危機管理の重要施策にもなっている。
 人工酸素運搬体の研究はこれまで欧米を中心に行われており、赤血球中にある酸素輸送タンパク質のヘモグロビンを化学修飾した、いわゆる「修飾ヘモグロビン製剤」が精力的に開発されてきた。特にヘモグロビンを架橋した「ヘモグロビン重合体」は、輸血液の代替物として1990年代から研究が始まり、21世紀に入ってからは米Northfieldの「PolyHeme」、Biopureの「Hemopure」が臨床試験PhaseIII(第三相試験)まで進んでいた。
 しかし、不均一な構造であることや、血圧上昇などの副作用といった問題を解決できず、2013年4月時点で認可された製剤はない。つまり実用化には未だ至っていないというわけだ。なお血圧上昇のメカニズムは、このヘモグロビン分子が「血管内皮細胞」から漏出し、「血管内皮由来弛緩因子」である一酸化窒素を捕捉するため、血管収縮が起こることで発生するものと考えられている。
 そのような背景の下、小松教授らが今回設計・開発したのが、構造が明確で、副作用がなく、生体内で十分量の酸素を輸送できる新しい人工酸素運搬体だ。具体的には、ヘモグロビンの分子表面に3個のアルブミンを結合させたクラスター(画像1)を合成しており、それが安定な酸素錯体を形成できることが見出されたのである。
 アルブミン(正確にはヒト血清アルブミン)はコロイド浸透圧の維持や各種内因性・外因性物質(代謝産物や薬物など)の貯蔵運搬という役割を担っている。そして、ヒトの血清(血液中の血球以外の部分)に溶解しているタンパク質の中で最も量の多い成分で、約60%を占める。ヒト成人男子の血清100mL中には4~5gものアルブミンが含まれているという。
 酸素運搬の役割を担うヘモグロビンをアルブミンで包んでクラスター状分子にすることによって、アルブミンの性質を持ちながら、赤血球のように酸素を運ぶことのできる新しいタンパク質複合体というわけである。
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画像1。クラスターの立体構造。中央の赤い部分がヘモグロビン、周囲の緑の部分がアルブミン。ヘモグロビンがアルブミンで覆われた構造になっている


 
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